結膜弛緩症

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結膜弛緩症とは?

結膜は、白目の部分で眼球を覆っている半透明の膜です。結膜には適度なゆるみがあり、上下左右などの眼球運動に耐えられるようになっています。結膜弛緩症は、結膜が弛緩した状態で、加齢とともに増えてきます。結膜弛緩症は、近年慢性の眼不快感や繰り返す白目の出血(結膜下出血)の原因として注目を集めており、とくにドライアイと関連が深いことが分かってきました。
ゆるんだ結膜は下まぶたに沿って存在し、程度が強いときは黒目(角膜)へ乗り上がっていることもあります(写真)。

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でも
当てはまると
結膜弛緩症の可能性があります

  • 時々、急に何かが入ったような異物感がある。
  • 時々、何もなくても涙があふれてくる。
  • 鏡を見ると白目がぶよぶよしている。
  • 突然、急に白目が真っ赤になることを繰り返す。

結膜弛緩症は、高齢者の慢性的な眼不快感の主な原因の一つです。ドライアイと合併してさらに症状が悪化することもよくみられます。

特にかかりやすいのは

40歳以上

男性

40歳以上

女性

自覚症状の例

  • 異物感:
    ごろごろ、しょぼしょぼ、何か挟まっている感じがする
  • 涙が溜まる:
    常にうるんだ感じになったり、外にこぼれたりする
  • 白目が真っ赤になる(結膜下出血):
    弛緩結膜の下の毛細血管が引っ張られて、結膜の下に出血する
  • 目が乾く:
    もともとドライアイがある方では、乾きを悪化させる

結膜弛緩症の症状

眼球運動や瞬きにともなって、弛緩結膜(余剰結膜ともいえます)が過剰に動くため、異物感を生じます。強い痛みではなく、ごろごろする、しょぼしょぼする、何か挟まっている感じがするなど、不快感に近いような症状となります。

結膜弛緩症の患者さんはしばしば「涙がよく出る」「涙がこぼれる」などと訴えます。あまった結膜がひだ(あるいは皺)を形成するために、そのひだの間に涙がたまり、外にこぼれ落ちて涙がこぼれます。

もう一つの症状が、繰り返す白目の出血(結膜下出血)です。これは、たるんだ結膜によって毛細血管が引っ張られて、出血の原因となります(写真)。結膜下出血を繰り返す方にはしばしば結膜弛緩症がみられます。

また結膜弛緩症はドライアイと深い関係があります。下まぶたに沿って弛緩結膜が存在するため、そこに涙がたまってしまい、肝心な角膜(黒目の表面)に涙が行き渡らなくなり、ドライアイと同じ状態になります。(写真)は、結膜弛緩症に隣接した部分に角膜のキズ(角膜上皮障害)が生じている例です。また、本当に涙の分泌量が少ないドライアイがあると、さらに眼表面に涙が行き渡らなくなるために、ドライアイの悪化につながります。

ドライアイの方は、点眼薬をむやみに使用すると点眼薬毒性が出ることがありますが、結膜弛緩症とドライアイの合併を見過ごされ、過剰な点眼薬の使用によって悪循環に陥ることがあります。このように、結膜弛緩症はまず、正しく診断してもらうことがとても大切です。

では、結膜弛緩症と診断されたら、どうすればいいでしょうか。まず、もし何らかの点眼薬を使用しているなら、診断してもらった医師や専門家に点眼薬を見直してもらうといいでしょう。その上で、治療を検討しますが、結膜弛緩症は手術でとても綺麗に治すことができます。治療はひとことで言うと、弛緩結膜を切除する、ということになります。切除というと怖く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、目の表面の下の部分だけであり、眼球の中をさわるわけではありません。

手術は局所麻酔で15分程度です。弛緩結膜を切除したあと糸で縫合しますので、術後に糸による異物感が生じますが、1週間程度でよくなります。術後の充血も1週間程度で消えます。手術後の傷跡はほとんど残らず、見た目には分からないくらいです。当科ではいままで数十例の方に行っていますが、結膜弛緩症が再発した方はおられません。

慢性的な自覚症状
  • 時々急に眼がごろごろする
  • 涙があふれる
  • 眼のふちがただれる
  • 結膜下出血を繰り返す

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