白内障

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白内障の検査・治療について

白内障の検査

視力検査、細隙灯顕微鏡(スリット卵黄)での観察が重要です。散瞳薬を点眼して細隙灯顕微鏡で観察することで、白内障の詳しい状態が観察できます。併せて、眼底検査などで白内障以外の異常がないかどうかを調べます。

散瞳検査は、散瞳剤という目薬をつけて行いますが、効果が出るまでに約30分かかり、さらに診察後も数時間、散瞳した状態が続くので、眩しい、近くが見づらい、ピントが合わないなどの症状がその間続きます。そのため、診察後に書類を見たり運転をする予定がある場合には行うことができません。

白内障の治療

1. 定期的に経過をみるという選択もあります

通常は白内障の手術は緊急にしなければならないものではありません。

日常生活にご不自由がないのであれば、今すぐには手術をしないで経過観察のみをするというのもひとつの選択です。

通常、時間とともに白内障は進行して見え方は悪くなっていきます。

時には白内障の進行と共に緑内障や眼内の炎症が起こってきて、急いで手術をしなければならない場合もあります。

このような緊急事態になってから行う白内障の手術の結果は、通常の白内障の手術の結果ほどかんばしくありません。診察を定期的に受けて、適切な時期に白内障手術について検討することが重要です。

2. 薬物治療

現在の所、白内障を改善する薬物は知られていません。

白内障の進行を遅らせる薬物として、ピノレキシン点眼(カリーユニ ®、カタリン ®)タチオン ®等がありますが、効果はそれほど強いものではありません。

3. 手術療法

現在の白内障手術の基本は手術です。現在日本では年間約150万件の白内障手術が行われ、全ての手術の中で最も多くの件数が行われています。手術は保険適応ですが、使用する眼内レンズの種類によっては費用負担が異なる場合があります(下記「白内障の手術治療」参照)。

白内障の状態はお一人お一人違いますので、「知り合いが・・・の手術を受けて結果がこうだった」というお話しは、専門的にいってあまりあてになりません。島崎眼科の外来担当医は、みな白内障手術の経験豊かな専門医です。ご自分の白内障の状態については主治医にお尋ねいただくのが一番です。

白内障の手術治療

現在の白内障治療の主流は手術です。白内障の手術は、以前と比べてかなり安全になりましたので、患者さんが白内障によって見え方にご不自由を感じるようになったら考慮されます。

患者さんの目の状態によってはリスクが高い場合もあり、ご自分の白内障の状態をよく知って手術を受けることが重要です。

島崎眼科では、患者様のご希望に応じて、手術施設、執刀医をご提案します。多くの患者様は、島崎眼科の主治医が執刀可能な施設で手術を行い、術後は再び島崎眼科で診察を行います。現在では、全身状態や通院に問題がない場合は、外来手術で行うことが一般的ですが、必要があれば入院のできる施設をご紹介します。

手術前の検査

簡単な全身検査「採血、心電図」と目の検査「角膜内皮細胞数の確認、眼球の前後径の測定、眼底検査」を行います。これは安全に手術を受けることのできる状態であることを確認するためのものです。

手術の方法

最近ではほとんどの場合、局所麻酔「点眼麻酔もしくは結膜(白目)の下に麻酔液を注入する麻酔」で手術をします。黒目と白目の境目を数ミリ切開し、水晶体前嚢切開をし、超音波を用いて濁った水晶体を砕いて除去します「図」。

白内障の程度が非常に強い場合などには他の方法で行うこともあります。その後、水晶体の袋の中に人工の「眼内レンズ」を挿入します。現在用いられているレンズは、「アクリル」という合成樹脂でできており、小さくたたんでから2ミリくらいの傷口から入れて、中で開くようにできています。このレンズは、一生眼の中に入ったままで大丈夫で、取り換えたりする必要はありません。

超音波乳化吸引術

手術後の視力の回復は、患者さんによってまちまちで、翌日からすっきり見える方もおられますが、回復に2,3週間かかる方もおられます。また、手術前に比べて眩しく感じたり、青っぽく見えるすることはよく経験されますが、ほとんどの場合は徐々に収まっていきます。

眼内レンズの種類

目の中に入れる眼内レンズには2種類あります。

いわゆる単焦点眼内レンズを使用した場合、白内障の手術後、遠くがよく見えるようになった方は近く用の眼鏡が、近くがよく見えるようになった方は遠く用の眼鏡が必要となります。手術で乱視を減らすことも可能です。単焦点眼内レンズを使用した場合は、白内障の手術をしても眼鏡がいらなくなるわけではないことをご理解ください。

多焦点眼内レンズのこと

患者さんのご希望があって目の状態が適している場合は、「多焦点眼内レンズ」を使用することも可能です。多焦点眼内レンズは、手術後に遠くと近くの両方が見えるように設計されています。多焦点眼内レンズにもさまざまな種類があり、どのあたりの距離を主に見たいかや、どの程度の見え方のクオリティを求めるかによって選択されます。多焦点眼内レンズでは、目に入ってくる光を遠くと近くの焦点に分けるつくりとなっているため、ピントの合う範囲は広がりますが、一つ一つの距離での見え方は、単焦点レンズに比べるとクオリティがやや劣ります。人によっては、光がにじんだり眩しく見えるなどの欠点もあり、使用する前に十分な検査と説明を受けて頂く必要があります。手術後には眼鏡の使用頻度を減らすことが出来ますが、完全に眼鏡を使わずに生活できる人ばかりではありません。

白内障手術の費用について

白内障手術は、健康保険でカバーされており、通常の単焦点眼内レンズを用いる場合は、1割負担の方で約15,000円、3割負担で45,000円程度のご負担です。多焦点眼内レンズを用いる場合は、「選定療養」というシステムで追加費用が発生します。このシステムは、多焦点眼内レンズを選択することで増える費用についてのみ、追加費用を負担することで、保険適応の治療と保険適応外の治療を併せて受けることができる制度です。
つまり選定療養では、白内障手術自体は保険適応になり、多焦点眼内レンズで増える費用についてのみ、自費で追加費用をお支払いいただくことで手術を受けられるようになります。その場合の費用負担は、眼内レンズの種類によって異なります。

白内障手術後の注意点

白内障手術当日は一晩眼帯をします。手術後は、目をぶつけたり強く押したりすると傷口が開いてしまうことがありますので注意が必要です。また、不潔な水やほこりが入って感染を起こしてしまうと、最悪失明につながる合併症を起こすこともありますので、しばらくは清潔に気を付けて目に触れないようにすることが必要です。
手術翌日に診察をして眼帯を外してから、目薬による治療を始めます。定期的に診察をしながら、目薬の回数や種類を減らしていきますが、手術後2,3か月は治療を続けます。手術後1か月くらいすると見え方が安定するので、その時点で必要があれば眼鏡の処方を行います。

白内障手術の合併症について

一般に白内障手術の安全性は高いと考えられていますが、すべての手術の結果が保証されるということではありません。
手術の安全性は手術前の目の状態によって大きく異なり、特に以下の状態に当てはまる方は白内障手術に際して注意が必要となります。

  • 白内障が非常に進行している方
  • 他の目の疾患を合併している方
  • 以前に目の手術を受けられた方
  • 目を強く打撲したことのある方
  • 瞳の開き方「散瞳(さんどう)」が悪い方
  • 偽落屑症候群(ぎらくせつしょうこうぐん)の方
  • 水晶体を支える袋(嚢)、または繊維(チン小帯)が弱い方
  • 前房(ぜんぼう)(角膜と水晶体の間のスペース)が著しく狭い方
  • 角膜内皮細胞の数が少ない方
  • 全身の病気(糖尿病など)を合併している方

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